電子工学とは

 電子工学とは電子の動きによって生活を便利にしたり,物の性質について理解したりする学問分野である.電気自動車や太陽光パネルをはじめ大いに期待されている学問であり,地味ながら最新の技術を支えている事実はあまり知られていない.例えば大学入試においても電子工学科は最も偏差値が低い(人気が無い)事が多々ある.我々理系の説明が(少なくとも私の説明は)下手くそだからなのだろうか.
 よく電気工学と混同されるが別物である.電気工学の主な領域は以下の通りである.

  • 発電
  • モーター
  • ロボット
  • エンジン

 以上からわかるように,電気工学は主に(大きな電流を扱った)電気エネルギーの変換を行う分野である(と思っている).それに対して電子工学の主な領域は以下の通りである.

  • 制御用回路
  • ICやLSI,MEMS
  • ミクロな物体の感知と制御
  • 半導体
  • 電池
  • 太陽光パネル

 以上からわかるように,電子工学は主に(小さな電流=電子を扱った)「情報」を扱う分野である.中学校や高校で習った電磁気学(身の回りの物質,電流とその利用,化学変化と原子・分子,化学変化とイオン)の延長線上にある.
※ここで「情報」とは大きく二つの意味を持つ.一つ目は,動き,温度,化学的な事象,光,電気,磁気,生体の情報(をセンサーで数値化したもの).二つ目は,スマホやパソコン等で用いられる信号とその処理で得られる情報.

 ここまでは大まかな説明であるが,電子工学の使われている具体例を挙げた方がより理解しやすいと思う.
 電子工学が使われる最も身近なものと言えば,スマートフォンやパソコンだろう.これらの中には半導体を使った制御回路がぎっしりと詰め込まれている.他に車や電車のモーターの制御,テレビSuicaなどのICカード太陽光発電光ファイバなども電子工学によって生み出された.例を挙げるとキリが無いが電子工学が身近なところで役に立っている事を理解していただけただろうか.

このサイトでは,電子工学を知らない一般の方(中学理科程度)から,高校物理化学,電子工学科の1~3年生などが対象になるであろう様々な電子工学分野の記事を書いている.なお,筆者の勉強ノートとして使うので分かりやすい説明は保証できない.できるだけ丁寧に,途中式なども飛ばさず書く.ミス等あれば気軽にmail@kaeruinjp.comまで送っていただきたい.

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